後鼻漏 あらためて・・・
ここ数年(というか新型コロナが蔓延してから)
後鼻漏の相談件数は爆発的に増えました
以前の私はこの疾病の治療が不得手でした
明の李中梓(1588-1655)という医師が医宗必読という書物に
”脾は生痰の源 肺は貯痰の器” という言葉を残しました
目に見えて排出される鼻水や痰はコレだろうと考えて
半夏・生姜・陳皮・茯苓・朮…
処方を組むわけですが
どうも結果に結びつきません・・・
コロナ前の話になりますが後鼻漏の相談はしばらくお断りしていた時期もありました
あるとき鼻の構造と鼻水生成理由を考え気づきました
①鼻腔は外界と繋がっている
②鼻水が外に垂れてくるか咽の方に落ちてくるかは発症部位による
③その部位に何らかの病変があり修復するために鼻水が出ている
そして先ほどの”脾は生痰の源 肺は貯痰の器”から脱却して処方してみると著効しました
高血圧にはカラダが血圧を上げる理由がある
後鼻漏も粘液が漏出する理由があるわけです
それを考えずにただ鼻水を止めよう(血圧を下げよう)では解決には至りません
知恵も経験も足りない自分は
考えることは必須
しかし、考えても意味がないこともある
一度古典にヒント(解答ではない)を求めて再度考える
すると閃きとともに結果があらわれる
だから漢方は面白く朽ちることはないのだろう