過多月経に四物湯・八珍湯

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過多月経

女性のお悩みのひとつに過多月経がある

毎月気にしなければならないし、下腹の痛みや頭痛・貧血様症状を併発することも多い

そして婦人科で処方されたピルにはむくみや吐き気・頭痛など副作用に悩まされたり継続使用していると薬が効きにくく過多月経が抑えられなくなってきた・・・

など悩みの多い相談のひとつ

私が過多月経の相談を受けるときにまず考えることは水滞があるかどうか

当帰芍薬散

筋肉が一体に軟弱で疲労しやすく、腰脚の冷えやすいものの次の諸症:

貧血、倦怠感、更年期障害(頭重、頭痛、めまい、肩こり等)、月経不順、月経困難、不妊症、動悸、慢性腎炎、妊娠中の諸病(浮腫、習慣性流産、痔、腹痛)、脚気、半身不随、心臓弁膜症

これは医療用のツムラ当帰芍薬散の効能効果の記載です そして参考には

比較的体力が低下した成人女性に用いられることが多く、一般に冷え症で貧血傾向があり、性周期に伴って軽度の浮腫、腹痛などを呈する場合に用いる。

1)全身倦怠感、四肢冷感、頭痛、めまい、耳鳴、肩こり、心悸亢進などの症状を訴える場合

2)無月経、過多月経、月経困難など、月経異常のある婦人

これらの所見があれば水滞を考慮して当帰芍薬散を考える

当帰芍薬散が合う方は運動嫌いの甘いもの好きに多いからそういう生活習慣がないかも確認する

筋肉は血を蓄え熱産生の場でもあるから少なければ冷えるのは当然だろう

しかし武器がこれ(当帰芍薬散)だけでは過多月経の治療はうまくいかない・・・

四物湯

地黄や阿膠など濃いエネルギーで補ってあげなければ過多月経が治まらない場合がある

上記のようにデスクワークで運動嫌い、筋力が少なく水っぽくてカラダや頭が重い方もいれば

元々運動をしていて筋力が一定程度ある、または普段から仕事等で身体を動かしている場合には当帰芍薬散はいきにくい

こういう方には地黄・阿膠のようなエネルギー価の高い薬草を使ってみると非常によく効く

年齢を重ね血虚~陰虚に傾き乾きやすい状況であるが

それはちょうど水不足の川の流れが悪いようなもので不足していると流れも悪くなる

そこに流れをつけてあげると自然とその先(子宮・卵巣)に栄養を届けられるようになる

四物湯はそういった処方だとおもっている

皮膚が枯燥し、色つやの悪い体質で胃腸障害のない人の次の諸症:

産後あるいは流産後の疲労回復、月経不順、冷え症、しもやけ、しみ、血の道症

こちらは医療用ツムラ四物湯の効能効果です そして参考には

比較的体力の低下した人で、手足が冷え、諸種の出血や貧血の徴候があり、皮膚の枯燥傾向のある場合に用いる

1)月経不順、自律神経失調症状などを伴う婦人

2)腹部軟弱で臍傍に動悸を触れる場合

こちらは当帰芍薬散とちがい水滞の所見がない

血という栄養素が不足しているため子宮・卵巣に届けることができず不良な血が蓄積し月経時に溢れ出している状態

四物湯を入れてあげると新血が生じて流れがつき過多月経・腹痛・貧血様症状などが落ち着きます

八珍湯

基本的には四物湯やその発展処方(芎帰膠艾湯・温経湯・連珠飲・温清飲)で十分です

ところが胃弱で四物湯が入らない方がおります

その時に使うのが八珍湯です 構成は四物湯+四君子湯という形をなしていて

四君子湯:人参・茯苓・大棗・甘草

四君子湯は一般に補気剤・脾気虚の薬などと言われますが私はそうは考えていません

人参:胃の陰分を増す 茯苓:水の偏在を調える 大棗:血を補充 甘草:水分保持

つまり四物湯の”枯燥状態”をカバーする薬草群として扱っています

私の経験では過多月経の場合、十全大補湯ではなく八珍湯が良い

十全大補湯=八珍湯+桂枝・黄耆

今必要なのは血という栄養素でありそれを内(子宮・卵巣)に留めておきたい

十全大補湯にすると方向が外に向いてしまうから桂枝・黄耆は入れてはいけない

このように考えて当帰芍薬散・四物湯・八珍湯を過多月経に用いています

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