冷え症とホメオスタシス
毎年この時期になると多くの方から
「冷えてきました」「冷え症なんです」「手足が冷たくて動かせません」
など困っていることを伝えられる
そして
カイロをあてる
靴下を二枚履きする
エアコン・暖房で室温を保つ
皆さん一生懸命に対策を施しています
さてここで振り返ってみてください
あなたの体質はその対策で変わりましたか?
今までやってきたのは対症療法でしかないのです
ホメオスタシス
筋肉が熱産生器官であり筋肉量に男女差があるのは周知の通り
運動→筋力アップが冷え対策であることは言うまでもないせ
ぜひ取り組んでほしい
ではそれ以外に何か出来ることはないのか?
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ヒトは恒温動物に分類される
エネルギー産生のため酵素が働く温度が37℃
芯でこの温度を保とうとしている
夏がくる→気温上昇→体温上昇→発汗→気化熱で防御
冬が来る→気温低下→体温低下→振動→熱産生で防御
これが恒温動物のホメオスタシスの一例
2000年前に書かれた傷寒論には葛根湯が登場する
「太陽病 項背強几几 無汗 悪風 葛根湯主之」
現代でもこの通りに用いると葛根湯は効く
つまりヒトの身体そのものと病が侵攻する過程は2000年前と変わらない
ところが衣食住環境は全く変わっている
局部しか覆うことのできない衣服
冷蔵庫のない倉庫
雨風に曝される家
現代の冷えはこの変化によって生じていると捉えるのが自然である
では冷え症の体質を変えるにはどうしたら良いか?
それは敢えて冷やすのだ
40-42℃の湯舟に浸かって血行を促す
これは良いことだが恒温動物であるため
芯までぽかぽかになったカラダは37℃に戻そうとする
この時、冷気は首・手首・足首の5か所から侵入する
肌表付近に多くの血管が通っており
5つの首から侵入した冷気はカラダを巡り体温を下げる
だから靴下を履き・湯たんぽを使い対処する
これでは冷え症の体質は変わらない・・・
そこで
40-42℃の湯舟に浸かって血行を促す
温まった後お風呂を出る前に
四肢に冷水シャワーを10秒程度かける
カラダは末梢が冷えたと認識する
温まって循環の良くなった血行を末梢へ促す
すると冷えの体質が変わる
毎年、冷え症の女性にコレを伝えて4-5年目になる
2週間後に聞いてみると
「冷えなくなりました」「靴下が要らなくなりました」
と仰いますから効果があるものだとおもいます
*冷水は体幹にはかけないでください
同種療法
漢方薬に用いる生薬には実はこのような特質がある
桂枝(シナモン)を飲むとほてる→のぼせに用いる
半夏を舐めると喉に刺激がある→咽喉不利に用いる
黄芩は苦い→口苦に用いる
麻黄は動悸がする→動悸に用いる
大黄を飲むと下痢をする→下痢に用いる
このように漢方は同種療法という考え方に基づいて絶妙に組まれている
体質改善とは
ヒトのカラダが元来持ち合わせている力を蘇らせること
私はこの同種療法が有効であると信じて漢方に取り組んでいる