血圧について
ヒトの身体は基本的に”平”に戻す機能が備わっている
「ホメオスタシス」「ホメオパシー」などと表現されることもある
夏の暑い日に汗をかくのは体温が上がり過ぎて熱が籠らないようにするためであり
冬の寒い日にブルブルと震えるのは体温が下がらないようにするためだ
咳や排尿、月経もそう
ヒトの身体に起こっている変化は何かを訴えている
だから漢方では自覚症状を重視している
ところがある時代から”数値”を指標とするようになった
体温計、血圧計、血液検査、尿検査
数年前に話題になったPCR検査もそうだ
集団や自分を律するために何かの指標がなければ管理できないからともいえる
冷え症の女性が冷え対策を謳った靴下や肌着・カイロを使っているのを聞くと
それは対症療法であって体質は変わっていませんよねと伝えます
”同種療法”とは冷えているなら冷やせ、下痢をしているなら下せ
という一見すると荒治療のように聞こえる手法だが
冷え症の女性に入浴した最後に冷水シャワーを四肢に掛けて出てもらうと
それだけで冷え症が改善されることは患者さんを通して何度も経験した
「血圧が高いから薬を飲みましょう」
脳梗塞や心筋梗塞、脳溢血・くも膜下出血・大動脈解離…
大きな心血管イベントが起きてからでは遅いですから
”あなたにとって血圧は悪者ですか?”
体には平に戻す機能が備わっています
意義があって血圧を上げているのであって
上げているものを下げたら弊害が出るのは当然でしょう
私は自覚症状をみて判断します
頭痛・めまい・肩こり・動悸・のぼせ…
何かのサインがあって血圧が上がっているなら
その症状に合わせて漢方薬を飲めば血圧は自然と下がります
普段私が診ている患者さんは15-20mmHg程度ならスーッと落ち着いてきます
自覚症状無しに血圧が上がっているならそれは自然な反応とするべきではないでしょうか