不登校に苓桂朮甘湯?「フクロウ型」なんて20年も前の話をするな
小学校高学年から高校生にかけて不登校になる子が多くなっている
・コロナ禍を経て”皆勤賞”という概念が無くなり
・集団生活に縛られる必要も無くなり
・SNS等の繋がりで済ませるようになり
この年代の実際の交流関係がどんどん希薄になっている
かつてカネボウが出版していた『THE KAMPO』という雑誌があった
その寄稿をしていた神戸中医研の消化器科医・山本巌先生が
人間を大別して次の二つにしている
1.ヒバリ型
2.フクロウ型
いわゆる朝型人間(ヒバリ)と夜型人間(フクロウ)のことだ
疲れやすい・体がしんどい・体力がない・頭が痛む・肩が凝る・手足が冷える・めまいがする
朝は起きにくい・夜は寝られない、、、
コレはフクロウ型の特徴であり苓桂朮甘湯が合うとした
この話を現代の不登校の子に当てはめて苓桂朮甘湯を多用している
がほとんどのケースで効いていない
さらに特効薬かのように講演のネタにされているのが聞いていて辛い…
そもそも
30年近く前のこの話・状況と現代の不登校の原因は違う
器質的な要因があって夜寝られず朝起きられないならこれで良いのだが
今の子の不登校はそうではないだろう
結局病院では”自律神経の失調”と片付けられ体調が良くならないまま
うちのような漢方に相談される方が多いのだ
本人や親御さんは感じていると思うが
そもそも不登校の子はエネルギー不足ではなく
注ぐところが偏っているのではないかと
学校には行けないが、
・休みの日に遊びに行くのは出来る
・学校行かなくても良くなったら自分の好きなことはできる
・夜やっていることを手放せば本当は寝られる
これは苓桂朮甘湯の陽気不足の状態ではない
私はコレを使わず別の2つの処方で効果が出ているのを経験している
まだ症例数は多くなく2つの処方もどちらを使った方がより良いかも迷いながらではあるが
手応えは感じる